ゲームの面白さは地味なサジ加減で決まる(11)

これだけだったのが…

最初は勉強がてらほぼマルパクリで作っていたこのプロジェクトですが、欲や機会に恵まれて、キャラもゲーム性も、原作とは異なった作品に昇華していきそうです。

こんな風に

元々のゲームに近い「ハイ&ロー」に加え「しりょくけんさ」「ジャンケン」等など、計12種類のゲームを選択することができるようになりました。

こんなゲームもあります

さて、このゲーム制作にあたって、どういう変遷をたどってここにたどり着いたのか…。

いち個人の制作風景なのでそこまで大がかりな、ドラマチックな話ではありません。正直、地味であんまり面白くない話かもしれません(笑)
ただ、ゲーム制作の紆余曲折を私は結構知りたい、あるならぜひ読んでみたいのですが、あまり語られることはないですよね。
(目立った「綺麗」な部分が宣伝句として語られることは、ままありますが)

ほんの小さい部分にも迷ったり、気遣ったり、敢えて選択したことが裏目に出たり。
ゲーム制作はそんなことの繰り返しです。

面白いかどうかは、結局プレイした人の判断にゆだねられます。
とはいっても、作ってる間は少なくとも「自分が面白いと思う」にベットし続けるしかない。
その実現は、地味な作業の繰り返しによるもの。

また「面白い」はコロッコロ姿を変え続ける。
作ったものは無駄になり、想定外の追加作業は起こるべくして起こります。

昨今のゲーム開発はその想定外が1つ発生するだけで数千万~数億かかる…なんて事情もあり、後から設計を変えることが本当に難しいです。
でも、面白さって最初から設計できるもんじゃないんですよね…ディレクターにかかる負担は年々増すばかり。

上手にできた「完成品」は、そうなるのが当然だよねとユーザーを納得させます。
でも、完成するまでに、ユーザーが見ることのない側面や、頭をひねりたくなるような不可思議さを抱えていたかもしれません。

そんな経緯を少しでも説明できればと思います。
ご笑覧いただければ幸いです。

マネするだけじゃ、つまらない

ゲームに限らず、絵も、音楽も、最初はマネから始まる事がほとんどで、ある程度マネが出来るようになると、今度は自分なりにそれをかみ砕きたくなる。
私は極限までオリジナリティを追求するタイプではないのか、作品を作るキッカケは大体「アレをもっとよくしたい」。

実を言うと、今回は本当にマネして作るだけで終わるはずでしたが(笑)、やっぱり欲は出てくるものです。

マネするだけじゃ、つまらない

完成した時、そういう風に思ってしまいました。

問題を、考えるのが大問題

このゲームの遊びを考えた時、

  • 数字が大きいということを判断する
  • 相手より早く判断する

この2つだと思いました。
このうち、「相手より早く」の部分はゲームの根底にあり、これを変更するならそもそも完全に別ゲームになると思いました。
そこで「数字が大きいなら叩く」というルールを、変えられないかと考えました。

問題は最後まで表示できないので、ギリギリまで表示されるように
ピ・ピ・ピ…というリズミカルなタイミングに合わせて消えるようにした

オリジナルに「問題文」はありません。大きい数字であれば叩く、というのが全てなので問題は必要ありませんでした。
その問題文を挟み込むタイミング(表示する長さ)や、文字数には気を遣いました。
問題文が読めないようなスピードで殴り合うようでは、ただ運任せで「たたく」「よける」になってしまい、ゲームとして成立しなくなってしまうからです。

文字だけの問題から脱却する

最初は文字だけの問題・答えでした。
しかし、「文字・数字」だけの問題はどうしても味気なく、お勉強っぽい問題ばかりになってしまいました。

数字の大小
漢字の読み方
ヨミから漢字を選ぶ
足し算
引き算
かけ算
割り算
地名の読み方
キラキラネームの読み方

名前、読めますか? 答えは「アマゾン」だそうです

自分がプレイヤーとすれば、一番最後に作った地名、キラキラネームあたりはちょっと興味をそそられる。
計算(加減乗除)は問題数が稼げるものの、面白いか? と言われると正直微妙。たくさんある問題の中に少しある程度で十分。
そんな風に思いました。

40年以上前のゲームウォッチの時代なら、このままでもアリだったかもしれないですが、2020年の私はそれでは満足できない、と思ってしまいました…。
満足するためには…なにか…。

そうだ、絵を使うような、パズル的な問題を含めたらどうだろう。

それを実現するために、問題のデータベース、自動生成、表示部分の拡張…とかなりの工事を行いました。
具体的なフローはこんな感じです。

{Dice7} が自動生成する問題のトリガー

問題を自動生成する

問題の文字列から、絵として画面に出力

絵の表示部分については C# Script でいくらでも後から追加できるようインターフェイスを整えたので、やる気があればどんな問題も表示が出来る。

…。

…。

問題を作らないといけないじゃないか…。

だれが? 自分が。

生粋のプログラマなら「やることはやったな…」とご満悦になれるのですが、ゲームにするのはここからがスタートなんですよね。

ここからは次回にまたお伝えできれば、と思います。

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