リモートワークの未来

グーグル、出社を取り締まり、リモートワーカーに再考を求める

あのグーグルですらリモートワークをなくしたんだ、結局リモワなんて制度、コロナでもなければ意味ないんだよ。

いま、多くの会社でリモートワークという働き方が撤廃されようとしています。
GMO も週2日在宅勤務推奨を廃止してしまいましたよね。

未来を感じさせる新しい働き方だったのに……なぜ?
その理由について考えてみます。

よかった点

まずはリモートワークで絶対によかった点を挙げておきます。

それは「通勤時間をゼロに出来る」ところです。
ミーティングがなければスウェットで仕事することも出来ます。着替えや化粧の時間もゼロ。

仮に通勤(片道)30分、朝の支度が1時間とすれば、2時間。一日の8%。
年間250日出社するなら500時間、10年で5000時間、半年強の時間が通勤に費やされます。

通勤が1時間半になろうものなら、10年につき1年強通勤している計算に。
これだけの時間を使って、ただ交通費もらうだけ(プラマイゼロ)。
圧倒的に無駄な時間を、リモートワークは失くすことに成功しました。

ダメになった点

次に、問題になった点です。
会社は「組織」として、色々な人と協力して物事を進めていきます。
稀に作業は一人で完結したとしても、「なにを仕事するか」については常に会社の事情と自分のモチベーションをすり合わせていくものです。

フェイストゥフェイスではなく、モニター越しのコミュニケーション。
Slack や Chatwork などの文字だけコミュニケーション。

いかにリモートワークコミュニケーションの経験が増えたとしても、フェイストゥフェイスに勝るコミュニケーションをすることは出来ない、皆、そう思ったことでしょう。

また、リモートワークを成立させるための前提として「個人が、自分がこなす仕事を適切に判断し、納期までにきっちり納める」というものがあります。

これは、仕事ができない、言われた通り(もしくは言われた以下)しか仕事ができない人にとっては難しい要件です。

最初の頃は組織も小さく、誰かがサボれば会社の命運に直結するため、個人個人がしっかりしています。
でも、組織が大きくなればなるほど、自分がサボっても会社が回る(替えがいる)と考える人が増えてきますよね。

リモートワークはその「サボっている人」が可視化できなくなるのもデメリットです。

新しい社員の教育が出来なくなったのも問題です。
ほとんどの会社は「仕事の仕方」なんて親切なマニュアルなど用意されていません。
同じ仕事をしているだけで、会社は儲かって安泰……そんなわけありません。
地脈、人脈、金脈、努力、これらが上手くコラボレートする必要があり、1分1秒が全てを左右することもあります。

リモートワークではどうしても時差が出来る分スピード感に欠けますし、そもそもリモワしか経験していない社員は前述のシビアな面を全く知ることができません。

「会社が色々と(学校のように)教えてくれる」とすら考えている新卒社員もいるはずです。
社員になった、突然リモワと言われた、言われたことはやってるが、誰とも会話をしていない。不安。
こんな人で溢れかえっていたことでしょう。

まとめると……

社員(個人)の時間が自由になったのは大きい。でも引き換えに、会社が組織としての体を為せなくなった。
こんな感じだと思います。

私自身は完全リモワになってもう20年近くになりますが、時間が自由になる分仕事量は増えます(会社にとって有用であることを常に証明するため)し、社内の人よりも人間関係をきちんと把握していたり、絶えず新しいことに挑戦したり……と自責の重さは段違いです。

リモワにしたいけど、勤め先は許してくれないことがほとんどです。
それを「許すか……」と思わせるだけの働きをどうこなすか、どうアピールするか。
絶えず技術力を磨いてください。苦手なコミュニケーションも得意になってください。
ようやくその先に、「誰かに支えられて」「自分で時間を決められる」自由が見えてくることでしょう。

子育てにリモワは最適

まとめのようなリモワは理想ですが、敷居が高すぎますよね。

現時点では、全社員へのリモワを推奨する会社は減って行くことでしょう。
ただ、「子育て」という面においては、リモワを許容していくスタンスを持っておくと社員も会社も幸せになれるケースが多いと思います。

「そんなの嫁さんに任せとけばいいんだよ!」なんて言ってしまう人も未だにいますが、そもそも存在した「子供はみんなで面倒みよう」という共同体は壊れ、男女問わず仕事をするようになった時代にその理屈を通すのは無理があります。

会社も子供も、どちらも社員(親)の都合など知らず、上から命令してくる生き物です。
リモワを上手く活用し、社員に時間の自由を持たせてあげることで社員のストレスをなくし、会社への帰属意識を上げる、そんなやり方もあるのではないでしょうか。

時は金なり

これ、言葉は知ってるけど実感していない人、とても多いと思います。
特に若いと実感しようがないですよね。

でも計算してください。晩飯のほうれん草の値段を常に比較するより、自分の人生に残された時間の計算を。
思ってるほど、人が健康に生きられる時間は長くありませんし、とてつもない無駄(無為)な時間を過ごしていることに気づくはずです。

1日の何時間を X やインスタのような SNS、ガチャゲーに費やしているでしょう。
その費やした時間の分、果たして幸せになっているでしょうか。

クオリティ・オブ・ライフの意味を見つめ直してみると、リモワ以外にも「自分の時間を自由にする」カラクリに気づくかもしれません。

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