技術ブログなどでも有料記事が増えてきた印象です。結局、お金儲けですか?

少なからず「自分の技術をお金に変える」ことを経験した人にとって、このタイトルは

偉そうに何言ってるんだ。お前こそ、記事をタダ読みしたいだけだろ

と脊髄反射的に思うでしょうし、それは間違っていません。

でも、なぜ「結局、お金儲けですか?」なんて考えてしまうのでしょう?

人の時間は有限です。
「労働」によってサラリーマンは、経営者からお金をもらう代わりに、その有限な時間を「売っています」。
あなたの時間は、お金で買われているのです。

お金ではなく、スキルを売っている人もいますが、大多数のサラリーマンはほぼ時間を売っているでしょう。

であれば、技術者が自分の時間を費やし、得た知識を売るのも、労働者がやっている事となにも違いはありません。
会社に賃上げを要求して「結局、あなたのお金儲けのために仕事をしてるんですね?」なんて言われたらやってられないですよね。

そんな当たり前の事なのに、なぜかそう思えない。
会社からお金を貰うのはいいけど、個人がお金を稼ごうと努力するのは許せない。

…あれ? なんだかおかしいですよね?

人は損得のない純粋な行動を尊ぶ

確かに、「時間」は「お金」と等価交換すべきものとわかった上で、敢えてノーギャラ。
その行動は、その人の純粋な意思のみで行われ、人がそれに「より強い意志」を感じる事はあるでしょう。

また、お金が絡んでくると「こうしたい」という当初の希望が曲げられ、ネジ切られて全然違う理想にたどり着いてしまう事もあります。
それは純粋な想いとは言えない。そう思っているのかもしれません。

出来れば、苦労はしない

ただ…「純粋な行動」を続けていくには条件があります。
そもそも金銭的な困難がない人に限られます
学生とか、親がお金持ちなので稼ぐ必要がない、とか。

私の知り合いにもずーっとタダで某会社のシステム開発している人間がいます。
理由は親が不動産持ってて、その不労所得だけで一生、生きていってるから。
コロナが流行った頃は葉山のマンション(持ち家)に移動して、快適開発ライフを送っていました。
こんな人は、ブログ書いてたとしても有料化なんて一ミリも思いません。
有料にする方が手間で、面倒だとすら思っています。

逆に、金銭的に困っていれば、「ブログを書く」事でお金を得たいと思うのは当然です。
有用な記事には無料でタダ乗りしつつ「結局金儲けですよね?」と言いすてる読者は、「お金儲け」がどういうものであるか、あまり考えていないのかもしれません。

お金(給料)は、会社から降ってくる

そんなバカな、と思うかもしれませんが本当にそう思っている人は結構な割合で存在します。
年の売り上げが 100 万なのに、300 万しかもらえないと愚痴る、足し算を忘れてしまったオフィスワーカー。
「売り上げ 300 だったから、最低 300 は貰えるだろ?」なんて人もいますね。
きっと彼(彼女)の世界では経費など存在しないか、あっても誰かが払ってくれるんでしょう。

こういう人は、黙っててもお小遣いをもらえた頃から自分をアップデートできていません。
お金は自分で産み出すものであり、会社は親ではなく共生するためのシステムです。

曖昧な認識が、目を曇らす

そういう給料=お小遣いと考えている人にとって、ネットに公開された情報もまた、「手に取れないからタダ!」という意識なのかもしれません。

情報は、それを知るまでにどれだけ時間をかけたか、実際に苦労してみないと見えないため、さして価値があると感じにくいのが厄介です。

これは、今まで家事をやった事のないサラリーマンが、

アイツ(主夫、主婦)はいつも家で楽してていいよな

と思うのに似ているかもしれません。
やった事のない事については低く評価してしまうものです。なぜなら、計るべき目盛が自分の中にないからです。

根底にある、教育的な問題

そもそも根強い「お金の事を考えるのは、イジキタナイ」という道徳観が、行き過ぎてしまった「結局、お金ですか?」に繋がることもありますよね。

イジキタナイのはお金そのものではない。

お金を使って自分も人も得をする。そういうお金の使い方が一番美しいですが、ほとんどの人が「お金を使った人が損をし、お金をもらった人が得をする」と思ってしまっています。

そんな事はないはずです。

お金を使った人は対価(幸せ)を手に入れますし、お金をもらった人も今までの苦労がお金で報われた。
それが本当の等価交換ではないでしょうか。

「結局、お金儲けですか?」といいながら、タダで情報を得ようとする考えは等価交換ではなく、乞食の発想です。
また、このように「自分の得する事しか考えない」発想だと、ツイッターのお金配りキャンペーンに参加しちゃったりしがちです。
お金を配った側が、それによってどんな利益を得ているか、考えもしないからです。

「お金」を使うことで、人を幸せにし、自分も幸せになる。
相手が貴方にとって有益な情報をくれるのであれば、それが無形な情報だったとしても、お金を払うに値する…そういうお金の使い方が理想ですね。

私は、といえば

偉そうなことを言っちゃいましたが、私もお金を使うのではなく、お金に使われることの方が多い小市民です。

とくに、貰うことに関しては全く苦手のリーマン感覚ですね…。自営の方の凄さを身に染みて感じます。

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